ミドルエイジのスキル

ブラック企業に勤務している50歳を迎えたおっさんが、会社に頼らずに生きていけるよう悪あがきをしまくる雑記ブログ。そのまま定年までなんてイヤだ。

あの頃。19歳の僕。バブル時のテレビ業界で、少しの間働いていた。

皆さんお疲れさま。NotRealMoneyです。

昔の話を思い出しました。


バブルが弾けたりする少し前の時代に、アシスタントとして調布の日活撮影所にもぐり込んだことがありました。

当時の僕は学生でアルバイトとして雇ってもらえました。

世間知らずの若者が、なんとなく選んだバイトがテレビドラマの世界でした。
「仕事は見て盗め!」的な職人気質の先輩の中、揉まれました。揉まれまくりました。


テレビ朝日の「七人の女弁護士」というドラマで賀来千香子さんが主演の法廷モノでした。右も左もわからず、昼夜問わない撮影現場は僕にとっては地獄。とにかく眠くてしょうがない。立っていてもウトウトしてしまうくらい疲弊していました。すぐにでもリタイヤしたかったのですが、煌びやかな俳優陣を目にする刺激に負けてしまいました…。

ちなみにスタジオで初めて出会った芸能人は「でんでん」でした…。



19歳。

あのデビッド・フィンチャーはその年齢で「スター・ウォーズ」に携わっていたのに、田舎から上京した学生の僕はフワフワして目標も無く何となく生きておりました。

深夜まで撮影が押して、宿泊するときはホテルを取ってもらっていましたが、先輩との相部屋では全面ガラス張りのシャワールームが付いていました。ウブすぎてここが「ラブホテル」だなんて気づきもしていませんでした。
そんな若者だったんです。


賀来千香子さん以外、名前を知っている俳優はいない状態でアシスタントをやっていたので大した仕事もしていない役立たずだったように記憶しています。
結構スタッフにイジられていましたよ。

ある日、スタジオ撮影に汗びっしょりの男性がやってきました。

「あ〜、暑いね。喉が渇いた。このジュース飲んでいい?」
と、やけにフレンドリーで大柄な男性が、宅麻伸さんでした。
のちに2人は結婚するわけなんです。あ、離婚もするけど。


青山のロケであの街路樹を歩くシーンを撮影しに行ったとき、どこからともなく人が集まって、撮影が終了するとスーッと消えていく集団に気がつきました。
エキストラです。「これだけでお金がもらえるんだ」と羨ましく思っていました笑。
貧乏学生で、欲しいものだらけでした。

その待ち時間で監督が、側にあった青山のオシャレなショップでアウターを買って出てきました。

「5万円だったよ」と聞こえてきて、当時の僕はすげえと声を出してしまいました。すると賀来さんは監督と色違いのアウターを羽織って出てきました。
サッと5万円出せる大人がカッコよく見えました。
羨望の眼差しで芸能人を見ていました。


いやいや、本当はこんな思い出を語ろうと思ったわけではなくてね、その撮影所で働いた時に厳戒態勢のスタジオがあることに気が付いたんです。

締め切って立ち入り禁止。
そこからお付きの人に支えられながらおじいちゃんが出てきました。
笠智衆さんでした。おそらく映画「ひかりごけ」の撮影だったんだと思う。裁判長みたいな格好だったので。
レジェンドを目にしたラッキーな少年だったんです。



あ、その話ではなくて僕はドラマ「北の国から」が大好きだったんです。

主人公の純と同い年だったので、自分を重ねて見ていた部分が大きくてね。

そのスペシャルドラマを撮影していることに気が付いたんですよ。

おそらく純が上京して泥のついたピン札を盗まれた話。
なぜかスタジオの外のバスの中でスイッチングをしていて、それを後ろから覗いてみているというね。
スタジオは厳戒態勢なので直接吉岡くんを見ることはできなかったのだけど、側にいることができて幸せを感じたわけ。
「東京は卒業だ。」の頃。




半年くらい頑張ったんだけど、就職が決まったのでアルバイトは辞めることになりました。
独特で閉鎖的な世界で最後まで馴染むことができませんでした。
佐藤友美さんに「あなた、ジャニーズに入りなさい」と言われましたがモジモジして何も発することができませんでした。
まあまあ可愛い少年だったのでしょう笑。